MILLETのスパッツ
長く、本当に長く、冬山をともにしたMILLETのスパッツがとうとう壊れてしまった。今年の正月に行った冬山合宿、八ヶ岳は権現岳東稜。テントに戻ってきた時には19時を過ぎていて、隙間から雪の入ったスパッツを脱ごうとしたら、ファスナーのスライダーの部分が音もなく割れてしまった。
経年劣化だろうか。
そりゃあ、もう20年以上も共に歩いてきた。大学生の時から使っている。いろんなところを歩いた。冬の穂高岳も、塩見岳も、上州武尊山も、平標山も、鳳凰三山も、そして八ヶ岳も。何度も何度もマイナスの過酷な世界を耐え抜いてくれた愛おしいスパッツは、雪と寒さから僕の足を守ってくれた。
近頃は、裏面のコーティングが加水分解もして、繊維も飛び出してきて、もうそろそろ限界かもしれないと思ってもいたのだった。だからといって粗末に扱ったわけではないけれど、寒さで凍ったファスナーを下げる力はもうスライダーには残っていなかったようだ。残念だけれど、これで引退してもらおうと思う。感謝。
PURO MONTEのインナーグローブ
そして、PURO MONTEのインナーグローブ。アウターグローブの下にはいつも必ずこのインナーグローブをつけて冬山に登っていた。スパッツ同様、今年の冬山合宿でも活躍してくれた。ただ、指先の穴がもう限界。この冬山合宿でもあいた穴の先から入り込んでくる冷気で指がジンジンと冷えた。このままだと凍傷になりかねないと予備のグローブにつけかえたほどだった。
そもそも、このインナーグローブ、指先の穴は、買って間もなくあいてしまった。不良品かと思うほどだった。でも、針と糸で縫ってはだましだまし使ってきた。愛着が出てくるのだ。でも、もういよいよ限界なことは間違いない。先輩からも「もう買ったほうがいいと思うぞ」と言われてしまった。こちらも残念だけれど、引退してもらおうと思う。
PHENIXの中厚グローブ
最後に、PHENIXの中厚グローブ。山ではときどきしか使っていなかったけれど、冬の旅行やスキーなど下界では何度もお世話になった。こちらも指先に穴があいてもう限界。どうしても指先に穴があいてしまうのは、自分の指がいけないのか、それともグローブがいけないのか、よくわからない。
スパッツは20年以上。グローブはそれぞれ10年以上使ってきた思い出の品。長く使ってきた山の道具は愛着もひとしおで、棄てるに忍びなく。ただ、保管しておいても仕方がないので、こうして記録に残しておいて、お世話になった証にできればと思っています。