深沢温泉、むら湯。村の人にも愛される茶褐色の湯。

深沢温泉

深沢温泉は福島県南会津郡只見町にある。日本のヘソとも言われる只見町だ。東京からだとどんなに頑張っても5時間はかかる。深沢温泉の近くに電車が通っているわけでもないので、訪ねるなら車は必須だ。

現在、深沢温泉は只見町唯一の温泉になってしまったようだ。かつては町の中心部にもあったそうだけど、2011年の「新潟・福島豪雨」による災害以降、温泉が出なくなってしまったらしい。

深沢温泉を紹介しているサイト「おいでよ南会津」によれば、温泉が湧出したばかりの頃は、ただ穴を掘っただけで、服を置くところも無く、服を頭の上に乗せて入るといった野趣あふれるお風呂だったとか。その頃から「むらゆ(村湯=村内にある温泉)」として親しまれていたようで、次第に評判が高まり、囲いができ、脱衣所ができ、心づけとして各人が自由意思でお金を投入する料金箱が置かれ・・・と、少しずつ「むら湯」に近づき、現在の日帰り温泉施設となりました、とある。

なんと、かつての深沢温泉にこそ入ってみたいけれどそうもいかない。

むら湯

2022年3月9日(水)、別のブログで書いた「雪の奥会津、只見の旅。温泉、雪遊び、デトックスな地域の食事。」で立ち寄ったのだ。日帰り入浴の料金は600円。タオルなどの貸出しはないので持参しないといけない。

かつての野趣あふれるとまではいかないだろうけれど、今なお趣のあるお風呂だと思う。木造のこじんまりとした山小屋風とでも言おうか、そんな施設が小高い丘の上に立っていて出迎えてくれる。掃除も行届き、きれいな温泉施設だ。

露天風呂はなく内湯のみ。でも、前面がガラス張りになっているので開放感はある。お湯は茶褐色で、ぷーんと鉄の匂いがする。鉄分が豊富なのだろう。どうやら源泉のお湯は透明だけど、空気に触れることで酸化して茶褐色に変わるらしい。

源泉かけ流しで、加温、加水、循環、消毒はすべてなし。源泉温度が46℃~47℃なので、熱い。季節によって体感温度はだいぶ変わるらしいけれど、熱いものは熱い。筋肉痛、神経痛、打ち身など疲労回復に良いと言われているようだ。

洗い場は5人程度だ。村の人、正確には町の人も多く利用しているので、時間帯によっては洗い場も埋まってしまう。何度か訪れている温泉なのだけど、何度か洗い場が埋まっていて手持ち無沙汰になってしまったことがある。

しかし、僕には熱いのだ。もっとゆっくり浸かっていたいけれどそうもいかない。ゆったりと気持ちよさそうな地元の皆さまがうらやましい。でも、温泉らしい温泉で好きだ。また訪れたい。何度でも訪れたい。きっとこれからも訪れるだろう。

窓越しに雪景色の山々を眺めながら、新たな事業のこととかを考え、お湯に浸かっていた。

以下、この日の主観的な評価。あくまで主観なので要注意。

温泉の気持ちよさ 4.0
雰囲気、味わい 4.0
施設の充実度、清潔感 4.0
当日の接客 3.0
コスパ 3.5
総合 3.7

温泉は気持ち良い、けど、ちょっぴり熱い。かつての野趣あふれるお風呂にはきっと及ばないものの雰囲気や味わいも良い。施設の充実度や清潔感も十分だ。フロントの接客はふつう。コスパもまぁふつうだと思う。

【おわり】

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