都電荒川線で旅散歩。荒川自然公園と荒川車庫と町屋でランチ。

都電荒川線の旅

都営荒川線ではない。都電荒川線だ。いやはや、都電荒川線、何年ぶりだろうか。何十年ぶりかもしれない。もはや記憶はないけれど初めてではない。2022年10月9日、天気のおぼつかない三連休の日曜日、SさんとRくんの旅に出た。 

町屋駅前で乗車

京成本線を町屋駅で降りて都電荒川線に乗り換える。町屋の地名はもちろん知っていたけれど今回はじめて降りたった。都電荒川線の駅の名前は町屋駅前。

やってきた都電荒川線は1両だった。2両だと思ってた。それほどかつての記憶はないものなのだ。どうやら今は「東京さくらトラム」とも言われているらしく初めて知った。2017年4月28日に決まった愛称のようだ。駅ナンバリングで使われる路線記号もこの愛称にちなんで「SA」なのだそうだ。

400円の1日切符を購入。まずは三ノ輪橋方面へ2駅、荒川二丁目駅で降りて荒川自然公園を旅散歩。

荒川自然公園

「自然公園」と名はつけど、名折れとはまさにこういうことを言うのか、人工的な公園の有り様に辟易する。調べてみればいやはややはり自然公園たるにふさわしくない歴史があるではないか。1974年、東京都下水道局三河島水再生センターの上に人工地盤を造って設置された公園なのだそうだ。

人工池と湿地帯

ちょっとした湿地があったり、池があったり、昆虫園などもあったけれど、荒川二丁目の駅を降りると下水道の臭いが鼻を突いた。

ここは下水処理場発祥の地(夫婦塚)であるらしく立て看板が立っていた。

「三河島字八千代田、字次郎田前と呼ばれていたこの地に二つの塚があった。夫婦塚と呼ばれるもので、正平七年(1352年)、武蔵野合戦における戦死者を葬った所と伝わるが、詳細は不明である。明治43年に三河島処理場の敷地に編入され、現在では正確な塚の位置を確認することができない。日本で最初の本格的な下水処理場である「三河島処理場」は大正3年、建設に着手した。」と書いてある。

「田」の名前がついていることから容易に想像がつくけれど、かつては田んぼが広がっていたのかもしれない。すぐそばには隅田川が流れている。今は見る影もないけれど広大な湿地や草原だったに違いない。

アスレチックに夢中のRくん

それなりに広い公園だったけれどRくんがアスレチックに夢中になりタイムオーバー。お昼をとうに過ぎてお腹ぺこぺこ。結局、公園の一部を楽しんで荒川二丁目の駅に戻った。

中華喫茶「川ばた」の餃子が絶品

荒川二丁目の駅周辺には目ぼしいお店はなく、都電荒川線に乗った町屋駅に戻る。なんとなくいわゆる街の中華が食べたくて見つけたお店が「川ばた」だった。

Googleには「川ばた 中華喫茶店」とある。中華喫茶店という名称がなんとも戸惑うけれど、いわゆる街の中華屋さんだ。13時を過ぎていたのにお店は満席。幸いなことに待ち時間はそんなになくてお店に入れた。その後もずっとお客様は途絶えず、14時過ぎにお店を出たときも並んでいたからすごかった。

野菜たっぷり餃子

この餃子がなんとも絶品。注文して正解だった。名前のとおり野菜たっぷりの大きめの餃子で、なんとも言えぬ食感。ここ最近食べた餃子のなかで一番美味しかった。この餃子ならまた食べに来る価値があるなと思う。

正統派!?の醬油ラーメン
正統派!?の半チャーハン

RくんとSさんはらーめんと半チャーハンセット。もはや半ではないチャーハンがなんとも嬉しいではないか。いわゆる中華屋さんの裏切らない味だった。

野菜たっぷりかた焼きそば

僕はかた焼きそばを食べた。これまた野菜たっぷりで、2日分の野菜を食べたんじゃないなというほどの量。こちらも美味しくいただきました。

うん、また来よう。うん、また来たい。

荒川車庫前の都電おもいで広場

本当はあらかわ遊園に行こうかと思っていたのだけれど、新型コロナウイルスのおかげで入園が予約制という。いつまでこんなことやってるんだろうかと呆れてしまうが仕方ない。確かにコロナは辛かった。

荒川遊園地前の次の駅が荒川車庫前だ。駅前に「都電おもいで広場」がある。とても小さな施設だけど、Rくんには十分だったようだ。シミュレーターもあって2回もやらせてもらった。都電を退職された方だろう。再雇用なのかボランティアなのかは知らないが、親切にしてくださった。

引退したレトロな車両が展示されてる

都電荒川線は東京に残る唯一の路面電車、チンチン電車だ。正確には東急世田谷線も路面電車(軌道線)らしいけど、道路上を走行する併用軌道があるのは都電荒川線だけになってしまっている。といっても、都電荒川線も路面を走る区間はほとんどない。全区間の14%のみで大部分が専用軌道を走る。

かつて、東京には41系統の都電が都内を縦横に走っていたそうだ。最盛期は昭和18年、1日約193万人もの人たちに利用されていたというからすごい。その後、交通手段が自動車に置き換わっていくにあたって都電の役割も減っていき、昭和42年から昭和47年にかけてどんどん廃止されていったとか。

昭和6年の路線図

車、本当に必要なのだろうか。東京でも路面電車が見直される日が来るのではないだろうか。最盛期とまでいくまいが、この日も驚くほど乗車率が高かったこともまたそう思わざるを得なかった。

さぁ、Rくんは眠たくなってきたようだ。荒川自然公園でたくさん遊び、川ばたでお腹いっぱい食べ、都電おもいで広場でまた遊んだ。そりゃ、眠たくなるだろう。

帰りは大塚駅前で都電荒川線とお別れしてこの旅も終わり。楽しい1日をありがとう。

【おわり】

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