秋の見沼たんぼ旅散歩。見沼通船掘と水風景コース。

いざ、見沼田んぼへ

見沼たんぼを訪ねてみたい。

見沼たんぼのことをNさんに教えてもらった翌日、さっそく、網、観察ケース、カメラ、救急キットを準備して出発。ワンチャン、水草も採取できるかもしれないので、ジップロックをはじめビニール袋も準備した。 

Nさんに声をかけたら付き合ってくれることに。ありがたい。2022年9月26日(月)、久しぶりに快晴の良い天気。 

ここ数日、いや1週間以上、ずっと天気は冴えなかった。史上最強といわれた台風14号が過ぎ去り、台風15号とその熱帯低気圧の影響で2022年のシルバーウィークは天気に翻弄されたのだ。といっても、僕はどこに行くわけでもなく、ほとんど家のなかで過ごしたのだから僕が翻弄されたわけではない。 

武蔵野線に乗って東浦和駅へ。見沼たんぼはどうやら広大らしく、その歴史もおもしろい。しっかりとWebサイトも整備されていて「すごい」の一言。到底1日では歩くことができそうにないので、今回は散策マップにある「見沼通船掘と水風景」コースを歩いてみることにした。 

見沼通船掘と水風景コース

駅前にあったコースマップ

東浦和駅を降りるとすぐにコースマップの看板がある。武蔵野線が東浦和駅に近づくと秋空の下に揺れる稲穂がキレイな一角があった。どうやら見沼たんぼの南から東にかけてがこの東浦和駅周辺のようで、西から北は大宮のほうまで続いているらしい。約1,260haというから見沼たんぼの広大さがわかる。 

見沼たんぼの歴史は前述のWebサイトに詳しい。かつて、縄文の頃は東京湾の入江がこの周辺まであり、貝塚などもたくさん発見されているという。約6,000年前を境に海が後退し、無数の沼や湿地が生まれ、そのひとつが見沼だったという。今の地図を見て想像するにとにかく大きな沼だったようだ。 

その後、農業用水確保のため、寛永6年(1629年)には八丁堤によって見沼がせき止められて見沼溜井が構築され、それから100年の時を経た享保12年(1727年)、徳川吉宗の時代、見沼溜井が干拓されて見沼たんぼが誕生した、という歴史がある。 

この徳川吉宗の時代、幕府の財政改革(享保の改革)のため、数多くあった池沼の新田開発が命じられたという。今も残る「○○新田」などの地名は、かつては池や沼だった場所を田んぼに変えた歴史があるのだろう。今は田んぼの跡形すらなく、コンクリートに変わってしまったところばかりでそれこそ寂しくなるが、池や沼だった時代の姿もまた見てみたいものだ。

こんな遺産があるんだ

世界かんがい施設遺産、見沼代用水とある。そもそもそんな世界遺産があるのかと驚いたけれど、どうやら世界で17ヵ国、123施設が登録されているらしい。日本では44施設が登録されているというから世界的な割合は高い。農林水産省が所管しているようだ。 

三面張りの用水路

でも、石碑が立つ目の前にある水路は三面コンクリート張りでなんとも哀しい姿である。

世界かんがい施設遺産の登録要件には、「建設から100年以上経過し、かんがい農業の発展に貢献したもの、卓越した技術により建設されたもの等、歴史的・技術的・社会的価値のあるかんがい施設を登録・表彰する」とあるものの、現在の姿はあまり勘案しないのだろうか。やはり、なんとも哀しくなるではないか。

三面張りの水路にも水草が

ほぼドブと化している水路にも水草がたなびいている。ヤナギモだろうか。この日の散歩では三面コンクリートの水路にいくつか水草を見た。

ん~同定が難しい

オオカナダモとセキショウモだろうか。セキショウモとコウガイモは見分けるのが難しい。遠目からだと到底わからない。いや、おそらく採取しても僕にはわからないかもしれない。いやはや、いくら水が汚いとはいえ、流れにたなびく水草はやはり美しい。

見沼通船掘公園

見沼通船掘と書かれた小道を歩いていく。日本の歴史公園100選にも選ばれているらしい。

見沼通船堀の歴史

見沼通船掘は江戸までつながっていたようで、かつてこの水路を利用して江戸へ運ばれたものは、年貢米、野菜、薪炭、酒、柿渋。逆に、江戸からは、肥料、塩、魚類、醤油などが運ばれたという。

鋭意工事中

そんな通船掘は工事中で、底には蛇籠が敷かれ、側面の土は固められて三面張りの様相に。どうやらコンクリートではないけれど、なんだか哀しい姿になってしまっていた。かつては一面田んぼだったようだけど、周囲も住宅が建ち並び、往時は偲ばれず。

でも、こうして家の近くに水がある暮らしはなんと良いではないか。と、大雨が降れば大変なことになるのであろうに、その苦労も推し測らずに言うのは良くない。いや、防災減災の視点で言えば、こういう場所に家を建てるのはあまり賢くないだろう。

芝川第一調整池

かつては田んぼであったであろう場所に田んぼの姿はチラホラしかない。武蔵野線の鉄橋をくぐると芝川第一調節池という広大な池なような湿地帯が現れる。

どうやら、今の見沼に求められているのは、稲作機能よりも治水機能なのだろう。昭和33年(1958年)9月の狩野川台風の際には、見沼たんぼが自然の貯水池となって水を受け止め、下流の被害を抑えることができたそうだ。

武蔵野線の線路を通る貨物列車

見沼たんぼを横断する武蔵野線はかっこいい。しかも、貨物列車はさらにかっこいい。絵になる。撮り鉄もいて熱心にシャッターをきっていた。撮り鉄ほどてはなくても、かっこいいものはかっこいい。

もっと近づいたいのに近づけない

田んぼを探し求めて芝川第一調節池の周囲を一周してしまった。良さげな湿地が広がっていて水辺に近づきたかったけど草木がぼうぼう。せっかくなら水辺に近づける遊歩道とか整備すればいいのに残念。

唯一、芝川の水が増水した際、芝川第一調節池に越水させるポイントで水辺に近づくことができたけど、あまりおもしろくはない。ヒシがいて、モズがさえずり、ホソミイトトンボと思われるトンボが水面を飛行していた。

見沼田んぼ

散策も終盤、最後の最後でようやく田んぼと出合う。見沼たんぼと名がついているのだから田んぼがなくてどうする。すでに水が抜かれ収穫間近の稲穂が風に揺られて美しかった。

今回は見沼たんぼの南と東を散策した。いや、まだまだ見きれてない場所がある。次回はレンタサイクルが良いなと思った。

GPSの記録

YAMAPで記録していたGPSの切り抜き画像です。

GPSの記録

【おわり】

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